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【図解】太陽光発電の出力制御とは?なぜ必要?今後も増える?わかりやすく解説!

【図解】太陽光発電の出力制御とは?なぜ必要?今後も増える?わかりやすく解説!

2022/06/23

2022年になって、全国各地で太陽光発電に対する出力制御(出力抑制)の回数が増えています。出力制御中、発電事業者は売電ができなくなりますが、対応しないとFIT認定取消など、重いペナルティが課されるので要注意です。

この記事では、出力制御の概要と制御が実施される背景を説明し、発電事業者が具体的にどう対応すべきなのかを解説します。

出力制御とは、電力の需要と供給を一致させるために、電力の供給(出力)を一時的にコントロール(制御)することを意味します。

出力制御を行わないと電子機器が故障し、大規模停電が発生するおそれがある

出力制御とは、電力の需要と供給を一致させるために、電力の供給(出力)を一時的にコントロール(制御)することを意味します。

電力の需給バランスを一致させる理由は2つ。1つは電力は蓄えられず、余るとエネルギーが無駄になるからで、もう1つは電力の需給バランスを一致させないと、電圧や周波数に影響が出るからです。

電力供給量が需要量を上回ると電圧や周波数が上昇し、逆に少ないと低下します。大幅に変動すると、電子機器の故障や、故障を防ぐために送電線などの系統が自動的に接続解除され、大規模停電が発生する恐れがあるのです。

そのため電力会社は電力が余りそうになると、発電事業者に対して「この時間帯は電気が余りそうなので発電しても買えません」という通達を出します。これが出力制御です。出力制御は、電力が余りそうな場合だけでなく、送電線などの系統の容量が上限を超えそうになった場合にも実施されます。

ちなみに、出力制御の対象は太陽光発電だけではありません。火力発電や水力発電なども対象で、下図のように国が定める優先給電ルールをもとに、火力発電のように供給量をコントロールしやすいものが優先して実施されます。

太陽光発電の出力制御は、国が定める優先給電ルールをもとに、火力発電のように供給量をコントロールしやすいものから優先して実施されます。

出力制御中は売電ができないため、売電収入が減ります。できれば対応したくないところですが、出力制御は再エネ特措法で定められており、発電事業者は出力制御の実施に同意することを前提条件にFIT認定を受けているため、必ず対応しなければいけません。

2018年に出力制御を実施していた九州電力では、上記画像のように、出力制御の手続きに対応しなかった発電事業者に向けて催促状を送るなど、警告を行っています。

2018年より出力制御を実施している九州電力では、上記画像のように、出力制御の手続きに対応しなかった発電事業者に向けて催促状を送るなど、警告を行っています。各電力会社のHPでも、必要な書類を提出しなかったり、当日に対応しないとFIT認定を取り消すという注意書きがあるので、必ず対応しましょう。

出力制御が増えた要因は、太陽光の発電量が増加しているから

太陽光の発電量が増えたことで、出力制御の頻度が増加

出力制御はこれまで、九州電力でしか実施されていませんでしたが、2022年に入って北海道電力、東北電力、四国電力、中国電力でも行われています。なぜこれだけ出力制御が増えているのかというと、太陽光発電の導入量が増えているからです。

太陽光発電の導入量は、この10年で約11倍に増加しました。まだ国が定める導入目標量には達してはいないものの、太陽光発電は晴れの日に発電量が一気に増え、さらに火力発電のように発電量を細かく調整できないため、制御する必要が生じます。こういった理由から、出力制御が増加しています。

出力制御は年末年始やGWなど、電力需要が少ない時期にしか行われない、と考えられていましたが、今後は時期に関係なく、発電量が過剰になるたびに出力制御が実施される見込みです。2022年6月時点では、中部電力・関西電力・東京電力では実施されていませんが、今後、その3社でも出力制御が行われる可能性は十分に考えられます。

2022年度から、10kW以上の発電所全てが出力制御の対象に

出力制御にあたって知っておくべきなのが、出力制御の3つのルールです。太陽光発電所は、管轄の電力会社や、電力系統への接続申込をした時期によって「旧ルール」「新ルール(360時間ルール)」「指定ルール」と、3つのルールに分類されています。

発電所にどのルールが適用されるかで、電力会社が出力制御を無保証で要請できる日数や時間、出力制御に対応したパワコンの設置義務の有無が変わるため、注意が必要です。簡単にまとめると、以下の図のようになります。

太陽光発電所は、管轄の電力会社や、電力系統への接続申込をした時期によって「旧ルール」「新ルール(360時間ルール)」「指定ルール」と、3つのルールに分類されています。

旧ルールの対象となるのは、FIT制度が導入された当初(2012年〜2015年ごろ)に運転を開始した発電所です。当時は出力制御は滅多にないと言われ、電力会社が発電事業者に要請できる日数も年間30日間だけでした。制御対象の発電所も500kW以上の発電所に限られ、出力制御やインターネット接続に対応したパワコンの設置義務もなかったのです。

しかし、太陽光の発電量が増加するにつれ、旧ルールでは需給バランスの調整が困難になりました。そこで2015年に再エネ特措法が改正され、2015年1月26日以降に運転開始した発電所(一部例外あり)に対しては、年間360時間分まで依頼できる、新ルール(360時間ルール)が適用されています。新ルールでは、インターネット上の出力制御に対応したパワコンの設置が義務化されました。

2015年以降も太陽光発電所数が増加し続け、電力系統の接続可能量をオーバーする可能性が生じています。そこで国は電力会社に対して「電力系統への接続申込量が接続可能量を上回った時点から、それ以降に接続申込をした発電所に対しては、日数の上限なしで出力制御を要請できる」許可を出しました。このルールは国から指定を受けた電力会社だけが対象となるため、「指定ルール」といわれています。

例えば北海道電力や東北電力、九州電力は、再エネ特措法が改正された時点で接続申込量が接続可能量を上回っていたため、旧ルールからそのまま指定ルールに移行しました。それ以外の電力会社も当初は新ルールが適用されていましたが、以下のように、今では全てが指定ルールの対象となっています。

・四国電力
⇨2014年12月3日〜2016年1月22日までに運転開始した発電所は新ルール。それ以降は指定ルール。

・北陸電力
⇨2015年1月26日〜2017年1月23日までに運転開始した発電所は新ルール。それ以降は指定ルール。

・中国電力
⇨2015年1月26日〜2018年7月11日までに運転開始した発電所は新ルール。それ以降は指定ルール。

・東京電力、中部電力、関西電力、沖縄電力
⇨2015年1月26日〜2021年3月31日までに運転開始した発電所は新ルール。それ以降は指定ルール。

改めてまとめると、これまでの出力制御の対象となるのは、以下の2つでした。

①500kW以上の旧ルール事業者
②10kW以上の新ルールまたは指定ルール事業者


つまり、従来は「10kW以上500kW未満の旧ルールの事業者」は制御対象外でした。しかし、2022年4月1日に施行された改正再エネ特措法によって「10kW以上500kW未満の旧ルール事業者」も出力制御の対象に含まれています。まとめると、出力制御の対象にならないのは「10kW未満の発電事業者」だけです(下図参照)。

2022年4月1日より施行された改正再エネ特措法によって、「10kW以上500kW未満の旧ルール事業者」も出力制御の対象に含まれています。

出力制御には、固定と更新の2種類がある

次に、出力制御のスケジュールについて説明します。出力制御には「固定スケジュール」と「更新スケジュール」という、2つの日程があります。

固定スケジュールとは、あらかじめ電力会社が決めた出力制御の日程のことです。年に1回以上、電力会社が出力制御のスケジュールを発表するので、発電事業者はそのデータを発電所のパワコンに直接登録する必要があります。固定スケジュールはインターネットを使用しないため、オフライン制御ともいわれます(下図参照)。

固定スケジュールとは、あらかじめ電力会社が決めた出力制御の日程のことです。年に1回以上、電力会社が出力制御のスケジュールを発表するので、発電事業者はそれをUSBメモリなどに保存して発電所に行き、直接パワコンに登録しなければいけません。固定スケジュールはインターネットを使用しないため、オフライン制御ともいわれます。

一方、更新スケジュールとは、出力制御の日時が変更された際に電力会社が発表する、最新版の日程のことです。

出力制御は固定スケジュールによって日程が決まりますが、必ずしもその通りに実施されるわけではありません。天気予報や日射量予測などをもとに需給バランスを予測し、状況によっては「実施の必要なし」「予定よりも短時間で実施する」となることもあります。

変更の可能性がある場合は3日前までに電力会社から連絡があり、最終的に当日の2時間前までに決定されます。変更がある場合、発電事業者はオンライン上で更新スケジュールを登録しなければいけません。更新スケジュールはインターネットを使用するため、オンライン制御とも呼ばれます。

更新スケジュールとは、出力制御の日時が変更された際に電力会社が発表する、最新版の日程のことです。

オンライン制御のメリットは、下図のように出力制御が未実施、時間短縮となった場合、売電ロスを最小限にできる点です。

更新スケジュールのメリットとしては、出力制御が実施されない、または実施時間が短縮された場合、下記のように、それだけの売電ロスを防げる点にあります。

現状、市場に出回るパワコンは、ほとんどが通信機能を持っています。しかし、FIT初期のパワコンの一部は後付けオプションを含め、出力制御に未対応のものがあります。この場合、PCSの交換が必要になるケースもあるので注意が必要です。O&M会社では、品番かパワコンの写真があれば、出力制御対応かどうかを確認できます。afterFITでも、O&Mチームにご相談いただけば、すぐに調査可能です。

また2022年度内には、固定スケジュールだけの事業者の損失を防げるよう、スケジュールが更新された際に、オンライン制御できる事業者が代理で制御を行う、経済的出力制御(オンライン代理制御)がスタートします。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

出力制御が決まった場合、発電事業者はどのように対応すべきかを説明します。

出力制御の具体的な流れとは?

最後に、出力制御への対応と流れを説明します。

①実施前:書類の提出と出力制御に対応したインフラ・機器の設置

初めて出力制御が実施されるエリアの発電所では、以下のように、まずは電力会社に対して書類の提出や機器の設置が必要です。

・「出力制御機能付PCS仕様確認依頼書」を提出
・電力会社から「ご契約情報」と「発電所ID」を受け取る
・インターネット回線契約
・出力制御に対応したPCS(パワコン)の設置
・出力制御ユニットの設置
・「発電所ID」の登録などの設定
・「切替完了届」を提出


インターネット回線は、電波が届きにくい山間部などでは通信設備を設置したあとの契約になり、時間がかかる場合もあるので要注意です。また途中で回線接続が切れると、更新ではなく固定に自動的に変更され、1日分の売電収入がゼロになります。安定した回線を用意しましょう。工事の際、初期設定で固定スケジュールを登録できるので、初年度は直接登録する必要はありません。

②実施直前(3日〜当日2時間前):電力会社からの連絡対応

スケジュールに変更がある場合は、予定日時の3日〜当日2時間前までに、電力会社からメールまたは電話にて連絡が来ます。オンラインで対応できる場合は、更新スケジュールを登録します。

③実施後:発電が再開されたかの確認

出力制御が終わり次第、自動的に発電が再開されます。

出力制御の対応を丸投げできるO&M会社もある

O&M会社によっては、出力制御の対応依頼を受け付けていない、別料金がかかるケースがあるので要注意です。

afterFITのO&Mは基本プランに出力制御への対応が含まれています。実施前の書類申請などの手続き代行はもちろん(工事は別料金)、出力制御の固定スケジュールの登録や変更後の更新作業も私たちが対応します。

もしパワコンの故障やトラブルなどで出力制御が対応できない場合も、当社が電力会社と直接交渉するのでご安心ください。低圧・高圧・特別高圧に関係なく、全ての発電所に対して、低価格で高品質のO&Mをご提供します。

出力制御の実施回数はますます増加する見込みです。さらに、FIT期間10年目を迎えた発電所は廃棄費用が天引きされるなど、今後、多くの発電所で売電収入が減少します。

出力制御で売電収入が下がると、その分だけ発電所の価値も低下する

また今後、出力制御の実施回数はますます増加する見込みです。さらに、FIT期間10年目を迎えた発電所は廃棄費用が天引きされるなど、今後、多くの発電所で売電収入が減少します。

発電所の価値は「売電収入の実績」「FITの残存期間」「発電所の状態」に基づいて決まるため、売電収入が減少すればその分だけ価値も下がります。出力制御が始まったばかりの今が発電所は一番高く売れるため、所有するよりも売却した方が儲かるケースもあります。afterFITでは最短3週間での高価買取を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

また実際にもう少し発電所を所有して、売りどきを見極めたい方には、太陽光発電所のAI査定のご利用をおすすめしています。初回は最短60秒で査定でき、初回以降は毎月最新価格をメールでお届けするため、ワンクリックで価値を確認できます。高圧発電所の査定には招待コードが必要ですが、お問い合わせいただけばすぐにお知らせできますので、お気軽にご連絡ください。

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