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【図解】経済的出力制御(オンライン代理制御)とは?対象の太陽光発電所は?わかりやすく解説!【改正再エネ特措法】

【図解】経済的出力制御(オンライン代理制御)とは?対象の太陽光発電所は?わかりやすく解説!【改正再エネ特措法】

2022/03/04

2022年4月1日に改正される再エネ特措法。それに合わせて、2022年度内に出力制御の仕組みが大きく変わります。今回の改正でさらに多くの発電事業者が出力制御の対象になり、売電収入にも影響が出るため注意が必要です。

この記事では、従来までの出力制御と今回新設される経済的出力制御(オンライン代理制御)の仕組み、そして新たに出力制御の対象となる発電所について解説します。

出力制御は電力の安定供給に欠かせません

出力制御とは、電力の安定供給に欠かせないもの

最初に、出力制御について説明します。通常、太陽光発電所などで発電された電力は、電力会社を通して家庭や企業などといった電力消費者のもとに届けられます。電力の需要量は時間帯や季節によって異なりますが、電力は基本的に貯めることができません。そのため、電力会社は電力の供給量を常に需要量と一致させる必要があります。

もしこの需給バランスが崩れると、エネルギーが無駄になるだけでなく、電力の周波数にも影響が出ます。周波数とは、電圧のプラスとマイナスが1秒間に何回入れ替わったかを表す数値のことです。電力供給量が需要量を上回ると周波数が上昇し、少ないと周波数は低下します。この周波数を一定に保たないと、電力消費者が使用する電子機器が故障する恐れがあるだけでなく、発電所と電力会社を繋ぐ送電線などの系統が故障を防ぐために自動的に接続解除され、大規模停電が発生する可能性があります。

そういった事態を防ぐために、電力が余りそうになると電力会社は発電事業者に対して「この時間帯は電気が余りそうなので売電(出力)できません」または「売電しても少ししか買えません」という要請を出します。これが出力制御です。出力制御は前述のようにグリーン電力が余った場合だけでなく、送電線などの系統の容量が上限を超えそうになった場合にも実施されます。電力を安定して供給するためにも、出力制御は欠かすことができません。

稼働時期やエリアにより、適用されるルールが異なる

出力制御は、太陽光発電所の条件ごとに適用されるルールが異なります。今回の変更点について説明する前に、3つのルールについて説明します。

まずは「旧ルール(30日ルール)」です。FIT制度(固定価格買取制度)が導入された当初は、出力制御の対象を500kW以上の発電所に限定し、依頼可能日数の上限を年間30日とする「旧ルール(30日ルール)」が適用されていました。なぜ30日間かというと、当時、出力制御は電力需要の少ない年末年始やGWといった時期(特異日)だけしか必要がないと考えられていたからです。

この旧ルールでは、出力制御の対象となるのは500kW以上の発電所だけで、10kW以上500kW未満の発電所は出力制御の対象ではありません。対象となる発電所が少なく、またほとんどのパワーコンディショナー(パワコン、PCS)が出力制御に対応していなかったため、​​出力制御に必要な機器の設置は任意でした。

しかし、再生可能エネルギーの導入量が増えるにつれて、年間30日という大まかなルールだけでは需給バランスの確実な調整が困難になりました。そこで2015年1月26日に再エネ特措法が改正され、依頼日数の上限が30日から360時間に変更されています。これを「新ルール(360時間ルール)」といいます。

新ルールは上限日数が時間単位に変わっただけでなく、旧ルールでは対象にならなかった10kW以上500kW以下の発電所も出力制御の対象になります。それに加え、インターネットでの出力制御に対応した機器(パワコン、出力制御ユニット、通信機器)の設置も義務化されました。従来の出力制御は、指示が出ると手動でパワコンのスイッチを切る必要がありましたが(手動制御、オフライン制御)、この頃よりインターネットを使い、指示が出ると遠隔でパワコンのスイッチを切ることができる自動制御(オンライン制御)が広く利用されるようになったからです。

また、太陽光発電所の運転を開始するためには送電線などの系統の使用に関する申し込みが必要ですが、この系統は容量に上限があります(接続可能量)。容量をオーバーすると電力の安定供給が不可能になるため、電力会社は申込量が接続可能量を上回った時点から、それ以降に申込をした発電設備に対しては「日数の上限なし」で出力制御が要請できるようになりました。このルールは国から指定を受けた電力会社だけが対象のため、「指定ルール」といわれます。対象となる発電所は新ルールと同じで、出力制御に対応した機器の設置も義務です。

「旧ルール」「新ルール」「指定ルール」の3つが共存することになりますが、どのルールが適用されるかは、管轄の電力会社や接続申込のタイミング、発電所の容量によって変わってきます。東北電力や九州電力は、再エネ特措法が施行された段階で接続申込量が接続可能量を上回っていたため、旧ルールから新ルールではなく、そのまま指定ルールに移行しています。3つのルールを簡単にまとめると、以下になります。運用の詳細については管轄の電力会社のHPをご確認ください。

太陽光発電所の出力制御には旧ルールと新ルールと指定ルールと3つのルールがあります

経済的出力制御(オンライン代理制御)の実施により、売電ロスを減らせる

次に、今回変更される出力制御の2つのポイントについて解説します。まず1つが「経済的出力制御(オンライン代理制御)の実施」です。

出力制御には前述したように「手動制御」「自動制御」と2つの方法があります。「手動制御」では、電力会社から出力制御の要請が出ると、担当者が実際に発電所に行ってパワコンの出力を手動で止めなければいけません。インターネットを使用しないため、手動制御はオフライン制御ともいわれます。その一方「自動制御」は電力会社から要請があったとしても、担当者は発電所に行く必要はありません。そのままインターネット上でパワコンのスイッチをオフにできるのです。自動制御はインターネットを使用するため、オンライン制御ともいわれます。

出力制御が実施される場合、前日までに電力会社から「この日のこの時間帯に出力制御しますよ」という要請が出ます。しかし、出力制御は必ず指示通りに行われるわけではありません。当日の需給状況や天候を考慮したうえで、実施2時間前に改めてスケジュールが決定されます。

下の図は、九州電力で実際にあった事例です。4/25時点では出力制御を行うと指示がありましたが、4/26になって出力制御の実施がとりやめになっています。出力制御はスケジュール通りに行われることが多いですが、このように時間が変更になったり中止になったりすることも少なくありません。

九州電力が行った出力制御の事例です。

もしスケジュールが変更されても、自動制御(オンライン制御)はインターネット上ですぐに対応できます。しかし手動制御(オフライン制御)の場合、スケジュールが変わってしまうと発電所に行って対応する必要が生じます。そのため、手動制御では発電事業者の手間が増えるだけでなく、多額の売電ロスが発生していました。そこでこの問題を解決するために「経済的出力制御(オンライン代理制御)」が導入されることになりました。

今回実施される「経済的出力制御(オンライン代理制御)」では、手動制御しかできない発電事業者(オフライン事業者)の分を、自動制御が可能な発電事業者(オンライン事業者)に代わりに行ってもらうことができます。出力制御の要請が出ても、オフライン事業者はパワコンを切る必要がありません。オンライン事業者が出力制御を代わりに実施するため、発電を継続できます。しかし出力制御実施期間中、オフライン事業者は出力制御を受けたものとみなされるため、相当する売電収入を受け取ることができません。

これにより、出力制御の依頼が出てもオフライン事業者はわざわざ発電所に足を運ぶ必要がなくなります。また、出力制御中は売電収入が受け取れませんが、これまでの問題であった売電ロスを最小化できるとされています。2019年に九州電力が行った出力制御のデータをもとに、経済的出力制御を導入した場合のシミュレーションを行ったところ、17%もの売電ロスが改善できることが明らかになりました。

下の図は、経済的出力制御のスキームです。代理で出力制御を行うオンライン事業者は、電力会社からその分の手数料を受け取ることができます。制御を委託しているオフライン事業者は出力制御中の売電収入は受け取れませんが、前述のようにタイムラグをなくすことができ、従来の出力制御時よりも売電収入の増加が見込めます。オフライン事業者が追加で手数料を支払う必要もありません。経済的出力制御は、2022年度内に開始される予定です。

代理で出力制御を行うオンライン事業者は、電力会社からその分の手数料を受け取ることができます。オフライン事業者は出力制御中の売電収入を受けとることはできませんが、前述のように従来の出力制御時よりも売電収入の増加が見込めます。

2022年度内より10kW以上の全ての発電所が出力制御の対象になる

そして2つ目の変更点が「出力制御対象の拡大」です。冒頭で出力制御には「旧ルール」「新ルール」「指定ルール」と3つのルールが共存していることをお伝えしましたが、これまでの出力制御の対象は「500kW以上の旧ルール事業者」と「10kW以上の指定ルール、新ルール事業者」だけでした。「10kW以上500kW未満の旧ルールの事業者」は対象ではなかったのです。しかし、今回の変更により「10kW以上500kW未満の旧ルール事業者」も出力制御の対象になります。出力制御の対象にならないのは、「10kW未満の発電事業者」だけということになります(下表参照)。

今回の変更により「10kW以上500kW未満の旧ルール事業者」も経済的出力制御(オンライン代理制御)に含まれることになりました。

ちなみに、今回新たに追加された「10kW以上500kW未満の旧ルール事業者」は旧ルールが適用されるため、出力制御に対応した機材の導入は不要です。先ほど説明した、経済的出力制御が利用できます。

出力制御はこれまでに九州電力が行った実績しかありませんが、再生可能エネルギーの導入量が増えている今、他の電力会社でも出力制御を行う可能性が高まっています。2021年12月15日に各電力会社の担当者を集めて行われた経済産業省主催の討論会では、「北海道電力、東北電力、四国電力、沖縄電力でも出力制御が実施される可能性が高い」という発表がありました。そのため、今後も出力制御を行う地域は拡大していくものと考えられます。出力制御によって売電収入が減ることを視野に入れ、対策を練っておくべきでしょう。

その対策の1つとして挙げられるのが「発電量の増加」です。出力制御によって売電収入が減る分、売電できる時間に少しでも多くの電力を生み出すことをおすすめします。そして発電量を増やすためには、太陽光発電所をベストな状態に保つことが大切です。

発電システムをベストな状態に保つには、O&M(太陽光発電所の運用・メンテナンス)が欠かせません。afterFITのO&Mでは、電気主任技術者などの資格保有者が太陽光発電所をベストな状態に保ちます。運用では発電量を監視し、問題があればすぐに対応するため売電ロスの心配がありません。メンテナンスでは、一つひとつの太陽光パネルや発電設備をくまなくチェックするだけでなく、サーモカメラを搭載したドローンを活用するので、人間が見つけられない異常までも発見可能です。売電収入の最大化を目指して全力でサポートします。

「もっと発電量を増やしたい」方はもちろん「もっと発電量が増やせるかを知りたい」方もお気軽にafterFITにご相談ください。お電話番号は0120-905-907、お問い合わせはこちらからお願いいたします。

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