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太陽光発電所の減価償却では耐用年数は17年です

太陽光発電設備の減価償却は17年。中古発電所は条件で耐用年数が変わる!

2022/04/22

産業用の太陽光発電所を運用するにあたり、正確な知識と理解が必要なのが減価償却です。太陽光発電設備は固定資産として減価償却の対象になるため、うまく活用することで節税効果が期待できます。

この記事では、減価償却の概要を説明したあと、減価償却の定額法と定率法の計算方法や中古発電所を購入した場合の減価償却の方法、減価償却によって期待できるメリットについて、わかりやすく解説します。

10kW以上の事業用太陽光発電設備は減価償却の対象

ビルや車など、長期間にわたって使用できる固定資産は経年で少しずつ価値が減少すると考えられています。そのため、取得費用は取得時に全額を経費として計上せず、その資産の使用可能期間で分割して少しずつ経費を計上していきます。これが減価償却です。下記のようなイメージで行われます。

減価償却のイメージです

上記の例では減価償却の期間を5年として設定していますが、この期間を耐用年数といいます。耐用年数は資産の種類ごとに細かく法律で定められており、太陽光発電設備の耐用年数は17年です。

また減価償却の対象となる固定資産は、事業用であり、使用可能期間が1年以上かつ取得金額が10万円以上のものです。産業用または出力10kW以上の住宅用太陽光発電設備は減価償却ができますが、出力10kW未満の住宅用発電設備は減価償却の対象ではありません。太陽光発電所がある土地も対象外ですので、注意しておきましょう。

減価償却は2種類の計算方法がある

ここまでは減価償却について説明しました。次に減価償却の計算方法に触れていきます。減価償却には定額法と定率法の2種類があるため、それぞれの計算方法を解説します。

①定額法は一定の金額を減価償却する

定額法とは、毎年一定の金額を減価償却費として計上する方法です。「固定資産の購入額÷法定の耐用年数」または「購入額×定額償却率」によって年間の減価償却費を算出できます。

定額償却率とは耐用年数ごとに設定されているもので、「1÷耐用年数」で求められます。例えば耐用年数が2年の場合は0.5で、3年の場合は0.334です(割り切れない数字の場合、少数点第3位を繰り上げる)。どちらの計算方法であっても、一定の金額を減価償却費として計上する方法は同じです。図にすると下記のようになります。

減価償却の定額法は一定の金額が減価償却費として引かれる

例えば、1700万円の太陽光発電設備を導入した場合、耐用年数は17年で、定額償却率は0.059です。この条件の場合、減価償却費は次のように求められます。

1700÷17=100 または 1700×0.059=100.3≒100

定額法は計算が簡単でわかりやすいため、資金計画が立てやすいというメリットがあります。また、次に説明する定率法よりも初年度の減価償却費が少ないため、太陽光発電設備を導入した年に利益が少ない場合や、利益を多く計上したい場合は定額法がおすすめです。個人事業主の場合はこの定額法が適用されます。

②定率法は一定の割合で減価償却を行う

定率法とは、毎年一定の割合の金額を減価償却費として計上する方法です。初年度の減価償却費は「固定資産の購入額×定率償却率」で計算し、それ以降の減価償却費は「(購入額ー前年度までの減価償却費の合計)×定率償却率」で求められます。

定率償却率は法律で定められており、太陽光発電所は耐用年数が17年のため、定率償却率は0.118です。定率法のイメージとしては下記の図になります。

定率法は一定の割合で減価償却が行われる

※概念図のため、小数点を切り下げて計算しています。

この定率法には注意点があります。それは上記の図のように、途中からは定率法ではなく、定額法が適用されるということです。上記の図では、1700万円の太陽光発電設備を定率法で減価償却しています。1年目の減価償却費は200万円、2年目は177万円、3年目は156万円と、年を経るごとに減価償却費が減っていき、10年目からは定額法に切り替わっています。

定率法は年数の経過とともに償却額が減少するため、後半になると減価償却費が数円規模になります。この数円を何年かに分けて償却する必要が生じるため、定率法では、ある程度の償却が進んだ場合、翌年からは定額法が適用されます。

この“ある程度”を判断する金額を償却保証費といい、「購入額×保証率」で算出できます。保証率も耐用年数ごとに定められており、耐用年数が17年の場合、保証率は4.038%です。つまり1700万円の発電所は、計上できる減価償却費が68万6460円を切った時点で定額法に切り替わり、毎年68万6460円が減価償却費として差し引かれていきます。

このように、定率法は初年度の減価償却費が高く、その後の償却費は徐々に少なくなっていきます。初年度の減価償却費が定額法よりも高くなるため、節税メリットが大きいです。しかし経年で節税効果が薄れていくため、注意しましょう。初年度に大きな利益が出た場合は定率法がおすすめです。法人の場合は、太陽光発電設備の減価償却方法として定率法を採用するのが一般的とされています。

ここで大切なのは、定額法も定率法も、結局は同じ金額の減価償却を行うということです。毎年一定の金額を費用として計上するか、それとも前半に多く支払い、後半に負担を減らすのか、慎重に判断しましょう。

ちなみに、一度計算方法を選択すると3年間変更できないので要注意です。また減価償却は機械装置としてまとめて償却する事になるため、複数の太陽光発電所を所有する場合であっても、太陽光発電所ごとに償却方法を分けたりすることはできません。

中古・稼働済みの太陽光発電所も減価償却の対象です

中古・稼働済みの太陽光発電所も減価償却できる

中古で購入した太陽光発電所も固定資産のため、減価償却の対象となります。しかし、この場合は耐用年数が変動する可能性があるため注意しましょう。中古・稼働済みの太陽光発電所の耐用年数は3パターンに分かれるため、説明していきます。

①中古発電所の購入価格が、新品時の価値の50%以上ある場合

中古発電所を購入する際、買取価格が新品時の価値の50%以上の場合の耐用年数は17年です。例えば、1700万円の発電所を850万円以上で購入すると、耐用年数は17年ということになります。前のオーナーが3年所有していようが、17年所有していようが、新品時の価格の50%以上であれば耐用年数は17年になります。

②購入価格が新品時の価値の50%以下で、耐用年数の一部を経過した場合

購入価格が新品時の半分以下の価格で、かつ稼働年数が耐用年数の一部しか経過していない場合は下記の計算方法で耐用年数を算出します。

(17年ー稼働年数)+(稼働年数×20%)

例えば、稼働して10年が経過した太陽光発電所の耐用年数は、(17ー10)+(10×20%)=9年です。

③購入価格が新品時の価値の50%以下で、耐用年数を全て経過した場合

購入価格が新品時の半分以下の価格で、かつ運転開始から17年が経過している場合は、法定耐用年数の20%が耐用年数になります。この場合、17年の20%は3.4年ということになりますが、小数点は切り捨てます。そのため、この場合の耐用年数は3年です。

上記のように、前の発電所オーナーが減価償却を終えていたとしても、所有者が変わった時点で、また減価償却が可能になります。購入した年度から減価償却を始める必要があるため、ご注意ください。

減価償却には大きな節税メリットがあります

減価償却には節税メリットもある

次に、太陽光発電所を減価償却することで得られるメリットを3つご紹介します。

①節税効果が期待できる

太陽光発電設備は17年にわたって発電設備が費用として計上されるため、それだけ課税所得を抑えることができ、法人税や所得税の節税につながります。O&M(太陽光発電所の運用管理・メンテナンス)の費用も経費として計上可能です。

②損益を正しく把握できる

太陽光発電所の損益を適切に把握できるのも、減価償却を行うメリットの1つです。減価償却を行うことで、年間の費用と収益がわかり、いくら利益(損失)が出ているのかが正確に把握できます。これにより、事業計画通りに収益があるかをチェックでき、太陽光発電所を所有すべきか、それとも売却して別の事業に転換すべきか、といった事業計画の修正ができるようになります。

③制度を活用すれば税額控除または即時償却も可能

太陽光発電所の所有者が「個人事業主」または「資本金が1億円以下、あるいは資本金がなく従業員が1000人以下の中小企業」の場合、中小企業経営強化税制を受けることができます。

中小企業経営強化税制とは、資金力がない中小企業や個人の生産性向上を支援する制度です。太陽光発電設備を導入する際にこの制度を活用すれば「最大10%の税額控除」または「即時償却」が可能になります。

税額控除については、資本金が3000万円以下の法人または個人事業主が10%の控除を受けることができ、資本金3000万円以上1億円以下の法人の場合は7%控除されます。支払う税金の総額を減らしたい場合は税額控除が選ばれます。

その一方、即時償却は初年度に購入額を全て費用として計上できます。支払う税金の総額は減らせませんが、初年度に経費を多く計上することで利益を圧縮し、初年度に支払う税額を減らせます。導入した年に利益が多額である場合は、即時償却を選ぶことが多いです。

この制度の注意点は2つあります。1つは全ての太陽光発電所が対象ではない、ということです。制度の対象となるのは「自家消費」または「自家消費率50%以上」の発電所だけで、FITやFIP認定を受けるなど、投資目的で所有する場合は適用されません。

もう1つの注意点が、この制度には対象外となる職種がある、ということです。以下の職種は中小企業経営強化税制の対象外となります。

電気業(投資目的の発電事業者含む)、水道業、鉄道業、航空運輸業、銀行業、娯楽業(映画業を除く)

この制度の適用期限は2017年4月1日から2021年3月31日まででしたが、新型コロナウイルスの影響により、2023年3月31日まで延長されています。この期間内に太陽光発電設備を導入された方は、ぜひこの税制をご活用ください。

節税効果を高めるためにも、日頃からの適切な運用が大切

太陽光発電所の減価償却では節税メリットがあることを説明しました。減価償却の際は、耐用年数を把握したうえで、状況に合わせて償却方法を選択することをおすすめします。また発電所を処分する場合は、発生した損失を固定資産除却損として計上しないと償却資産税がかかるため、注意が必要です。

そして、節税効果を高めるためにも、日頃から太陽光発電所を適切に運用することをおすすめします。発電量が少ないと、どうしても悪天候や発電設備の劣化が原因だと考えがちです。

しかし、適切なメンテナンスが行われておらず、ソーラーパネルの内部にある目に見えない異常を見落としていたり、発電設備が故障したまま放置されている、という可能性もあります。O&M会社は運用管理やメンテナンスを行うと費用がかかり、その分だけ会社の利益が少なくなるため、蓋を開けてみると仕事を全くしていなかった、というケースも多々みられます。

afterFITのO&Mでは、電気主任技術者などの資格保有者が皆様の太陽光発電所をベストな状態に保ちます。運用(オペレーション)では発電量を監視し、問題があればすぐに対応するため、売電ロスを見逃しません。メンテナンスでは、一つひとつの太陽光パネルや発電設備をくまなく見て回るだけでなく、サーモカメラを搭載したドローンを活用し、人間が見つけられない異常まで発見。売電収入の最大化を目指して点検します。

また、発電所の価値を正しく把握する、ということも私たちはおすすめしています。年数を経るごとに発電所の価値は下がるため、所有しているよりも、売却した方が長い目で見ると利益が大きかった、というケースも多いです。

afterFITでは60秒で資産価値を把握できる発電所AI査定をやっているので、ぜひご利用ください。売却せず、査定だけのご利用も大歓迎です。投資で損しないためにも、損益分岐点をしっかりと見極めましょう。

「もっと発電量を増やしたい」方はもちろん「もっと発電量が増やせるかを知りたい」など、太陽光発電所の運用にお悩みがございましたら、お気軽にafterFITにご相談ください。お電話番号は0120-905-907、お問い合わせはこちらからお願いいたします。

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