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認定失効制度とは?未稼働の発電所は認定取消へ!わかりやすく解説

【図解】認定失効制度とは?未稼働発電所は認定取消へ!わかりやすく解説【改正再エネ特措法】

2022/02/18

2022年4月1日から改正される再エネ特措法。それに合わせ、太陽光発電所の未稼働案件を対象に「認定失効制度」が施行されることになりました。これまでにも未稼働案件に対する特別措置がとられてきましたが、今回初めて制度化されます。

この記事では、認定失効制度が導入される理由や制度の仕組み、これまでの制度との違い、そして対象となる未稼働案件とその案件がとるべき対応について、わかりやすく解説します。

未稼働の太陽光発電所案件は3つの深刻な問題を抱えています。

未稼働案件は、深刻な問題を3つ抱えている

太陽光発電所の未稼働案件とは、FITに関する手続きが済んだにも関わらず、発電所の建設や運転を開始していない案件のことです。FIT認定後、土地の権利関係で揉めて案件が進行しなかったり、全国的な再エネ導入量の急激な増加によって施工業者やパネルの確保が困難になったりしたことで、全国各地で未稼働案件が多発しました。2021年3月時点で未稼働案件は日本全国に約23GWもあるといわれています。そしてこの未稼働案件は、3つの深刻な問題を抱えています。

①未稼働案件が稼働すると、再エネのコストが下がらない

通常、電力の市場価格は需要と供給に合わせて変動します。しかし、FIT制度ではその市場価格は考慮されません。20年間、国が一律の値段(FIT単価)で電力を買い取ってくれます。このFIT単価は、パネルやパワコンなどといった太陽光発電設備の価格の平均値をもとに決定されます。例えば、10〜250kWの発電所では、2012年度のFIT単価は40円でした。しかし、機器の値段低下にともなってFIT単価も下落し、2021年のFIT単価は11〜12円になっています。少しずつ、FIT単価は市場価格へと近づきつつあるのです。

もし未稼働案件が一気に稼働した場合、FIT単価が高い案件から工事が進むと考えられます。そしてFIT単価が高い案件が一気に稼働すると、国は20年間一律の単価で電力を購入しなければいけません。その結果、低減する見通しのついた仕入れコストの平均が、また上がってしまうことになります。

②未稼働案件が稼働すると、国民の負担がさらに増える

国が再生可能エネルギー由来の電力を買う際、その費用を負担するのは私たち国民です。その費用は「再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)」といわれており、月々の電気代に上乗せされています。つまり、国が再生可能エネルギーを買う費用が増えるほど、再エネ賦課金も上昇することになります。

2012年度の再エネ賦課金は0.22円/kWhでした。しかし再エネ賦課金は年々上昇しており、2021年には3.36円/kWhを超え、2021年に私たちが支払った再エネ賦課金の総額は約2兆4000億円を突破しています。もし未稼働案件が一気に稼働した場合、高額なFIT単価の案件が増えるため、私たちの負担はさらに重くなってしまうのです。

③新規案件の開発が進まない

発電所でつくられた電気を消費者に届けるためには、送電線や配電線といった送配電網が必要です。そして、送配電網の容量には限りがあります。未稼働案件はそういった系統を前もって確保しているケースが多く、その分だけ、新規案件の参入を阻んでいることになります。

未稼働案件はこれら3つの深刻な問題を抱えています。2016年と2018年に議論が行われ、「FIT認定から3年以内に運転開始(運開)しなければ認定失効」や「早く運転開始しないとFIT単価を変更する」などの措置がとられましたが、問題の解決にまでは至りませんでした。こういった理由から、運開する見込みのない未稼働案件を取り締まるために、認定失効制度が制度化されることになりました。

運転開始期限によって認定取消となる条件は異なる

今回、認定失効制度の対象となるのは「FIT認定を取得したが運転開始していない、10kW以上の発電所」です。該当する発電事業者は、認定が失効する前に発電所の運転をスタートするか、発電事業をとりやめにするかを選択する必要があります。制度の詳細を説明する前に、前述した2016年と2018年の議論の際に決定した内容についてお伝えします。

<2016年に決定した内容>
・2017年3月31日までに電力会社と接続契約(電気を売る契約のこと)をしていない案件はFIT認定を取り消す
・2016年8月以降に接続契約を締結した案件は、運転開始期限を超過した場合、超過した期間分の買取期間を短縮する
・2016年7月31日までに接続契約をした案件は運転開始期限を設定しない

<2018年に決定した内容>
・運転開始日は「系統連系工事の着工申込」が完了した日とする
・FIT認定年ごとに着工申込の期限を設ける
・運転開始期限は「着工申込完了日から1年」または「着工申込期限日」とする
・運転開始期限を守ればFIT単価はそのまま、もし遅れた場合は着工申込日から数えて2年前の買取価格に変更する
・運転開始期限を超過した場合は、超過期間分だけ調達期間を短縮する

これらをまとめると、従来の制度では、FIT認定を失効するのは下記の3パターンだけということになります。
(1)2017年3月31日までに電力会社と接続契約をしていない
(2)運転開始期限から1年以内に運転開始も着工申込も行っていない
(3)運転開始期限から1年以内に着工申込をしたが、運転開始期限となる3年後までに運転開始していない
図にすると、以下のようになります。

従来の制度では(1)2017年3月31日までに電力会社と接続契約をしていない(2)運転開始期限から1年以内に運転開始も着工申込も行っていない(3)運転開始期限から1年以内に着工申込をしたが、運転開始期限となる3年後までに運転開始していない案件が認定失効の対象です。

今回追加される条件は「2022年3月31日までに運転開始期限を迎える案件」が対象です。エネルギー庁の資料などでは「2022年4月1日以降に運転開始期限を迎える案件」についても説明がありますが、その条件に該当する発電所は上記パターンの(2)と(3)を守ればFIT認定を失効することはありません。そのため、この記事では主な対象となる「2022年3月31日までに運転開始期限を迎える案件」について、失効の条件を説明します。

①2022年3月31日までに運転開始期限を迎える案件

これまでのルールでは、2019年3月31日までにFIT認定を受けた未稼働案件は、2022年3月31日までに発電所の運転を開始する必要がありました。しかし、今回の制度改正により、最後のチャンスとして「経過措置」が与えられています。これらの案件の運転開始期限日は、もともと設定されていた期限日ではなく、認定失効制度が施行される2020年4月1日からもう一度計算し直すことになったのです。

つまり、下記の図のように
(4)2023年3月31日までに運転開始と着工申込をしなかった発電所
(5)2023年3月31日までに着工申込をしたが、2025年3月31日までに運転開始していない発電所
が認定失効の対象となります。

2022年3月31日までに運開期限を迎える案件は(4)2023年3月31日までに運転開始と着工申込をしなかった場合(5)2023年3月31日までに着工申込をしたが、2025年3月31日までに運転開始していない場合にFIT認定が取り消されます。

②運転開始期限が設定されていない場合

2012年から2016年の間にFIT認定を取得し、2016年7月31日までに電力会社と接続契約をした未稼働案件には運転開始期限がありません。そのため、着工申込すらしていない案件が多く存在します。そういった、今後稼働する見込みのない案件をフェードアウトさせるために、運転開始期限がない案件も認定失効制度の対象に含まれることになりました。

今回の失効制度では、以下の図のように
(6)2016年7月31日までにFIT認定を受けたが、2023年3月31日までに運転開始と着工申込をしなかった発電所
(7)2016年7月31日までにFIT認定を受け、2023年3月31日までに着工申込をしたが、2025年3月31日までに運転開始していない発電所
が認定取消の対象となります。

運転開始期限がない未稼働案件は(6)2023年3月31日までに運転開始と着工申込をしなかった場合(7)2023年3月31日までに着工申込をしたが、2025年3月31日までに運転開始していない場合に認定取消の対象となります。

(6)と(7)に該当する発電所は、もし運転開始をしてもFIT単価が下がってしまうので注意が必要です。2018年の措置により、着工申込日から数えて2年前の買取単価に変化されることになっています。例えば2012年にFIT認定を受けても、運転開始が2022年なら、2020年の買取単価に変更されることになります。

運開予定がない未稼働案件は着工申込をした方がいい

ここまでは、失効認定制度の対象となる未稼働案件と、失効の条件についてお伝えしました。この制度によって全ての未稼働案件に期限が設けられたことになりますが、なんらかの事情ですぐに運転開始ができない発電事業者も少なくないでしょう。そういった方は、着工申込(系統連系⼯事着⼯申込み)だけでも行っておくことをおすすめします。

着工申込とは、発電事業者が太陽光発電所があるエリアの送配電事業者に対して、系統連系の工事を申し込むことです。系統連系とは送配電線網のことで、着工申込をすれば先に必要なスペースを確保でき、そのうえ運転開始期限が3年伸びます。1年の運転開始期限ギリギリで着工申込をすれば、合計4年も運転開始を延期できるのです。

着工申込には、以下の要件を満たす必要があります(②と③は必要な場合のみ)。
 ①土地の所有権、使用権限があること
 ②土地の農業振興地域整備計画の変更、または、農地転⽤許可を受けていること
 ③林地開発許可を受けていること
着工申込の進め方は管轄の電力会社によって異なるので、各社のサイトをご確認ください。ちなみに着工申込は「送配電網の予約」です。運転開始期限内に発電所の運転をスタートできる場合は、着工申込を行う必要はありません。

今回の認定失効制度は、運転開始が期待できない未稼働案件の権利を失効させるために実施されます。現在、未稼働案件をお持ちの方は、損しないためにもしっかり運転開始期限を把握し、案件をどうするか具体的に検討することをオススメいたします。

認定失効制度について、ご理解いただけたでしょうか?
afterFITでは、太陽光発電所のO&M(運用管理・メンテナンス)無料自動査定、買取、CO2を排出しないグリーン電力小売事業「しろくま電力(ぱわー)」を行っております。2016年の創業以来、作業を基本的に外注せず、内製化して取り組むことで技術力を高め、多くのノウハウを培ってまいりました。

「もっと発電量を増やしたい」方はもちろん「もっと発電量が増やせるかどうかを知りたい」方もお気軽にafterFITにご相談ください。お電話番号は0120-905-907、メールでのお問い合わせはこちらからお願いいたします。

また「このことについて解説してほしい」「こんなトラブルのとき、どう対応すればいいか教えてほしい」など、太陽光発電所を運用するうえでお悩みがあれば、ぜひお問い合わせください。こちらの記事で皆様のお悩みを解消し、売電収入を増やせるよう、サポートさせていただきます。

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