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【図解】FIP制度とは?FITとの違いは?仕組みを解説!【改正再エネ特措法】

【図解】FIP制度とは?FITとの違いは?仕組みを解説!【改正再エネ特措法】

※この記事は2024年3月22日に最新の情報に更新されました。

2022年4月より、再生可能エネルギー由来の電力を固定価格で買い取るFIT制度に加えて、FIP制度が始まった。このFIP制度は、工夫すればFIT制度よりも売電収入を増やせる可能性がある。

そこでこの記事では、FIP制度の詳細を説明し、FIT制度との違いやFIPで売電収入を増やすコツについて、図を交えながらわかりやすく解説していく。

 

FIP制度は、電気を売る際にプレミアム(補助金)が加算される制度のこと

FIP制度は、電気を売る際にプレミアム(補助金)が加算される制度のこと

FIP制度とは「フィードインプレミアム(Feed-in-Premium)」の略である。この制度では、卸市場などに電力を売っても採算がとれるよう、売電した発電事業者には「売電収入」に「プレミアム(補助金)」を上乗せした金額が支払われる。FIP制度を活用して売電した場合、収入は以下のようになる。

FIP価格(基準価格)=参照価格(売電収入)+プレミアム(補助金、利益)

ここでいうFIP価格(基準価格)とは、「発電事業に必要な売電価格の平均値」として定められたものだ。FIT価格(買取単価)と同様である。FIP価格はFIT同様に20年間一律で、しばらくの期間はFIT単価と同じ水準になる見込みだ(2022年度は10円/kWh)。

参照価格とは、発電事業者が売電した場合に期待できる「平均の売電収入」のことである。前年度の平均市場価格をもとに算出され、月ごとに変動する。そしてFIP単価から参照価格を引いたものがプレミアムだ。

改めてお伝えすると、FIP制度とは、売電した発電事業者に売電収入とプレミアムが支払われる制度である。すでにドイツなど、再エネの導入が進んでいる国では導入されており、日本では2022年4月からスタートした。

 

FITは「電気を買い取る価格が一定」だが、FIPは「買取価格が変動する」

ここからはFIPとFITの違いを説明する。まずはFITから見ていく。

市場価格と補助後の収入の図

FITは買取価格が一定だ。市場価格に関係なく、いつでも同じ金額で電力会社が電気を買い取ってくれる。FIT単価が32円の場合、市場価格が5円だろうと20円だろうと32円で買ってもらえるのだ。夜中のように電気の需要がなく、市場価格が安いときに売れば受け取れる利益も増える。

プレミアム価格の説明図

一方、FIPは参照価格が時間によって変動する。一定なのはそれに上乗せされるプレミアム価格(補助金、利益)だ。例えば、プレミアム価格が2円だとすると、参照価格が5円のときに売れば売電収入の合計は7円となる。20円のときに売れば22円になるのだ。

このようにFIP制度では、買取価格が市場に連動して変わるため、自分で売るタイミングや売り先を選定する必要が生じる。昼から夜にかけて“電気の需要がある時間”に電気を売れば、それだけ売電収入を増やせるということになるのだ。

 

FIPは相対取引であればFITよりも利益が増えることも

それでは「買取価格が一定」のFITと、「上乗せされるプレミアムが一定」のFIPでは、どちらの方がより多くの売電収入を得られるのだろうか。

2022年度のFIT単価は、50kW~1000kWでは10円/kWhである。これに対してFIP制度は売電収入が変動するため、自分でいつ、どこに売るかを決める必要がある。

下の図は、2021年4月15日の「日本卸電力取引所のスポット価格」を示したものです。この図をもとに、FIP制度の場合の売電収入を見ていく。

太陽光発電はほとんどの場合、日中しか売電できない。そのため、蓄電池などを活用して夜間に売電しない限り、多くの発電事業者は電気をおよそ5円/kWhでしか売れないことになるのだ。

またFIP制度の参照価格は、電力市場だけでなく再生可能エネルギーの環境価値(非化石証書)も考慮される。この環境価値が0.6円/kWhだとしても合計は5.6円/kWhで、FIT単価の10円/kWhには到底とどかない。参照価格は市場全体の価格をもとに決まるため、プレミアムは4.4円/kWhになることは考えにくい。通常の売電だとFIT制度の方が儲かる可能性が高いのである。

しかしFIP制度でも、卸市場を介さずに小売電気事業者と直接契約して売電すれば、通常の買取価格よりも高い価格での売電が可能だ。この契約を相対契約といい、この取引は相対取引ともいわれる。

FIP制度でも、卸市場を介さずに小売電気事業者と直接契約して売電すれば、通常の買取価格よりも高い価格での売電が可能です。この契約を相対契約といい、この取引は相対取引ともいわれます。


FIP制度では、発電した電力をそのまま売るのではなく、必要とされる時間帯を狙って売電することが大切だ。

そのためには、市場ではなく「再エネの電気が欲しいので、少し高くてもいいから買いたい」と考える小売電気事業者に直接売る、さらには小売電気事業者を通してその先にいる需要家に売る、という取り組みも一つの手と言えるだろう。

実際にFIP制度では、卸売電力取引所だけでなく、電力会社などの小売電気事業者との相対契約も結ぶことができる。アグリゲーターという電力の需給を調整している事業者にも売電が可能だ。

 

FIP制度の対象になるのは50kWの発電所から

では、どの規模の発電所がFIP制度の対象になるのだろうか。

FIP制度の対象は50kW以上の発電所すべてである。ただし、50kW〜1,000kW(1MW)規模の発電所は、FITかFIPのどちらかにするかを選ぶことができる。1,000kW(1MW)以上の発電所は今後、FIP制度が適用される。

すでにFIT制度が開始している50kW〜1,000kW(1MW)の発電所はFIP制度へ移行できるが、一度FIPにすると戻れないため、注意が必要だ。

 

FIP制度の場合は蓄電池を導入し、売電時間を調整するのも手

FIT制度では、電気をいつ売っても買取価格は一定だった。しかし、FIP制度では市場価格が変動するため、FITと同じように売電すると、収益の見込みが立ちにくくなる恐れがある。そのため先ほども述べたが、これからは市場で電気を売る場合でも「いかに電気代が高い時間にたくさんの電気を売るか」が大切になってくる。

そこでぜひ導入していただきたいのが蓄電池だ。朝〜昼間に発電した電気を蓄えて、それを高い時間帯に売れば、それだけ売電収入を増やせる。日中は一番発電量が多いため、非常に有効的なのだ。

蓄電池は高価だが近年は価格の低下が進んでおり、導入のための補助金制度もある。売電収入を増やしたい方は、前向きに検討するのも一つの手だろう。また、これから太陽光発電所をつくる方は、南向きよりも南西に向けてつくるのも一つの手だ。南西向きに作れば、電気代が一番高い時間帯(昼〜夜)に発電して、そのまま売ることができるようになる。

 

FIP制度を使った投資目的でなく、
電気代・CO2排出を削減するために太陽光発電設備を導入するのも手

ここまでFIP制度の概要を説明した。近年では買取価格が下落し、太陽光の投資側面が薄れてきていることから、投資ではなく自家消費目的で太陽光発電設備を導入するケースが増えている。太陽光発電でつくった電気を使用することで、その分だけ電力会社から電気の購入量を減らすことができ、電気代を安くすることが可能だ。

PPAモデルという、初期費用0円で太陽光発電設備を導入できる方法もあるため、電気代高騰・CO2排出量削減に悩んでいる法人は検討してもいいだろう。

参考:自家消費型太陽光発電とは?種類やメリット、補助金情報、注意点をわかりやすく解説!PPAと自己託送の違いとは?
参考:【図解】太陽光発電のPPAモデルとは?仕組み・メリット・デメリット・発電量を増やす方法をわかりやすく解説!

 

しろくま電力は高い施工品質で、CO2排出量・電気代の削減を実現

しろくま電力は太陽光発電所の適地探しから土地開発、資材調達、施工までを一気通貫で行っている。発電設備の導入にあたって、PPAモデル・自社所有型モデルともに対応可能だ。

しろくま電力で太陽光発電設備するメリットは以下の3点だ。

・大規模発電所など、数多くの発電所を施工した実績
・設置場所の課題をクリアし、発電量を増やす技術力
・日射量データとAIを駆使した適地探し

しろくま電力のPPAのメリット①大規模発電所など、数多くの発電所を施工した実績

しろくま電力は国内にある発電所の施工を数多く担当してきた。メガソーラーをはじめとする大規模発電所や、店舗の駐車場に設置するソーラーカーポートなど、施工実績が豊富だ。

土地開発から施工にいたるまで、ほぼ全ての業務を内製化する中で培った独自のノウハウを活かし、高品質の太陽光発電所を設置する。

参考:オンサイトPPAとは?オフサイトPPAとの違い、メリットデメリットをわかりやすく解説
参考:オフサイトPPAとは?オンサイトPPA・自己託送との違いをわかりやすく解説

しろくま電力のPPAのメリット②設置場所の課題をクリアし、発電量を増やす技術力

2つ目のメリットが技術力の高さだ。しろくま電力は施工に加え、施工の研究や実験にも力を入れている。発電所の設計では「影のない3D設計」を実現。3D設計により、100m横の敷地に立った左の発電所よりも22%も発電量を増やすことに成功した。

afterFITは現場の施工に加え、施工の研究や実験にも力を入れている。発電所の設計では「影のない3D設計」を実現。3D設計により、100m横の敷地に立った左の発電所よりも、22%も発電量を増やすことに成功した。

また太陽光発電設備は、屋根上や遊休地はもちろん、水の上や遠隔地、駐車場にも設置できる。特に駐車場に設置するソーラーカーポートには強いこだわりがあり、一級建築士監修のもと、2年もの歳月をかけて改良を重ねてきた。

他社とafterFITのソーラーカーポートを比較したイラスト。左が従来の四本足のソーラーカーポートで、右がafterFITが開発した二本足タイプ「しろくまカーポート」。

上図左側のように、従来のソーラーカーポートは4本足で、駐車や扉の開閉がしづらく、相場も高い。しかししろくま電力では、前方に足がない2本足タイプを開発。これによって駐車しやすく、扉の開け閉めが容易になった。

実際にケーヨーデイツー姉崎店に設置されている、2本足のしろくまカーポート(実際にケーヨーデイツー姉崎店に設置されている、2本足のソーラーカーポート)


ソーラーカーポートの価格についても、資材の大量輸入や業務効率のいい工法の開発などにより、業界トップクラスの低価格で対応する。PPAモデルを活用すれば、初期費用0円でソーラーカーポートや太陽光発電設備を導入することもできる。

参考:【図解】ソーラーカーポートとは?価格相場や導入メリットデメリット、補助金情報を解説!
参考:しろくま電力「しろくまカーポート事業ページ」

しろくま電力のPPAのメリット③日射量データとAIを駆使した適地探し

しろくま電力には土地開発チームがあるため、オフサイトPPAモデルを行う場合、土地探しから土地開発、施工までを一貫して実施できる。

土地探しの際は、自社で開発した「再生可能エネルギー適地検索システム」を活用。日射量データや該当エリアの系統の空き容量、土地の情報などのデータを学習したAIが、152万に分割した日本の土地の中から発電所の適地を見つけだす。

しろくま電力では、豊富な実績と高い技術力を活かし、国内企業の脱炭素や電気料金の高騰リスク軽減を全力でサポートする。太陽光発電設備の導入(PPAモデルまたは自社所有型モデル)に関するお問い合わせやご相談は「太陽光発電設備の導入に関するお問い合わせフォーム」または下記のバナーから。

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