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5分でO&Mがわかる!利益を増やす太陽光発電のオペレーション(運用管理)とは?【第二回】

5分でO&Mがわかる!利益を増やす太陽光発電のオペレーション(運用管理)とは?【第二回】

2022/01/28

第一回目の記事では「なぜO&Mが必要なのか」「O&Mの適切なコストとは一体いくらなのか」について解説しました(太陽光発電所の適切なO&M(メンテナンス)とは?運転管理・保守点検について解説)。

火力発電や原子力発電とは異なり、太陽光などの発電方法では積極的な発電所の運転管理は必要ないとされています。しかし、毎日安定した発電を続けるためには、日頃から発電所の監視が欠かせません。

今回は「発電所の適切なオペレーション(運用管理)とはなにか?」をafterFITでO&M統括を担当する小林悦郎が詳しく解説します。メンテナンスの解説記事はこちらからご覧ください。

「安定した発電には適切なオペレーションが欠かせない」と語る小林悦郎

発電量監視は「日射量に対して適切に発電できているか」を監視する

太陽光発電所のオペレーションは、設備の異常をいち早く検知し、対策を練ることを目的として実施します。主に行われるのが「発電量監視」と「アラート監視」です。

発電量監視では「日射量に対して適切な発電量かどうか」ということをチェックします。ここで大切なのは「何をもってその発電量を異常とするか」です。「監視」と聞くと、発電所ごとに発電量グラフがあり、それらの監視を行っているという構図を思い浮かべるかもしれません。確かに、発電所ごとの発電量グラフを使って監視しているケースはあります。

しかし、それだけでは現在の発電量が適切かどうかを細かく判断できません。天候によって発電量が左右されることから、日射量のデータも必要です。それらの情報がそろってはじめて、「日射量に対する発電量」という形で監視ができるようになります。日射量に対して十分な発電量がない場合は、何か問題があるということになるのです。

とはいえ、ほとんどの発電所において、日射量のデータと発電量のデータをリアルタイムでトレースし、比較していくことは容易ではありません。そこで活用されているのがPR値です。PR値とはシステム出力係数とも呼ばれるもので、「ソーラーパネルの最大出力に対して、どの程度発電できているのか」を表す値です。実発電量÷(パネル容量×日射量)で算出できます。

現状では前日分のデータを対象に分析を行い、「現在のPR値が適正かどうか」の判断をするケースが多いです。しかし、前日の日射量との比較だけでは正常なPR値を算出することができません。曇りの日と晴れの日では当然発電量に差が出ますし、季節の移り変わりや周辺状況の変化によってPR値は変動します。

そのため、その時点での正常なPR値を算出しながらも、本当にその数値が正しいのか、まとまった期間を通して分析すべきです。そうすれば発電所固有のPR値がわかり、異常を正確に検知できるようになります。当社では、上記の条件を織り込んだPR値分析を行うと同時に、よりリアルタイムで異常を検知できるようにシステム開発を行っています。

アラート監視では「アラートの選別・判断」が重要

アラート監視は「アラートの選別・判断」が重要

アラート監視とは、主にパワーコンディショナー(パワコン、PCS)からメールで上がってくるアラートに対応することを意味します。アラートは頻繁に上がってくるため、全ての警告に対して対応できません。そこで大切なのが「アラートをどう選別・判断するか」ということです。

高圧の太陽光発電所の場合でいうと、アラートのおよそ7割は通信系の異常といわれています。すなわち、通信が「切れた/復旧した」というものです。多くの場合、切れてもすぐに復旧しているので、あまり問題にはなりません。一方、パワコンが落ちた場合は問題となりますが、これも本当に落ちたのか、計測器側の問題なのか、見極める必要があります。O&M会社の中にはアラートを全て無視する企業もあるので注意が必要です。

当社ではアラート一つひとつには対応しません。アラートの性質はパワコンのメーカーによって異なるため、その違いをしっかり把握し、本当に問題があると判断した場合には何らかの対応、場合によっては緊急駆け付けを行います。

「本当に駆け付けるべきアラートなのかどうか」の判断は難しいところもあり、私たちも苦労しているところです。しかし、オペレーションの経験を積むうちに、適格な判断ができるようになります。実際に当社が見ている発電所のケースでは、だいたい40件の太陽光発電所の監視に対し、本当に駆け付けるべきアラートは1日あたり1件あるかないかというのが現状です。

駆けつけ回数は、上限が設定されていれば、超過分は追加料金が発生します。回数無制限を設けている会社の場合、価格が高いところや実際には駆けつけに対応しない場合があるため注意が必要です。前文であげた頻度を参考にして、ご自身に必要な内容を選択するようにしてください。当社としても片道2時間の距離にある発電所に行かなければいけないこともあるので、アラートは正確に見極める必要があります。

系統側への波及事故や機器の故障のアラートは駆けつけるべき

では、本当に駆けつけるべきアラートとはどういったケースなのでしょうか?

1つ目は、電力系統側に対して波及事故を起こしかねないケースです。発電所の異常によって、電力系統側に影響を与えれば、場合によってはその地域での停電を引き起こすことにもなりかねません。監視カメラの画像で事故が確認された場合も、現場に行くことが必要です。

2つ目はパワコンの異常ですが、これはケースバイケースです。故障の場合はすぐに駆けつけるべきですが、再起動などはリモートでも対応可能な場合があります。そのため、しっかり見極めて対応しなければいけません。3つ目はブレーカーが落ちた場合です。これは現場に行って復旧する必要があります。

すべてが緊急駆けつけの対象ではないので、正しい見極めが重要です。

アラート監視では、本当に重要な警告かどうかを見極めて対処することが大切。

アラートの判断基準は発電所によって異なる

一方で、異常があってもアラートが上がらないケースもあります。

パワコンの設定にもよりますが、通常、発電量が20%も下がればアラートが出ます。しかし、1ストリング(太陽光パネルを直列で繋いだ回線のこと)での異常の場合、1~2%しか発電量が変動しないので、アラートは上がりません(設定できますが、誤報の嵐になるためおすすめしていません)。こうしたケースには、前述のようにPR値の分析を通じて追いかけていくことになります。

発電量監視にあたっては、ストリング監視を導入するケースがあります。これは低圧の発電所では使われていますが、高圧・特高の発電所で導入しているケースは少ないようです。パネル単位で監視できるものも発売されていますが、これも同様に高圧・特高ではあまり活用されていません。

理由はいくつかあります。1つは、費用対効果です。大規模な発電所の場合、ストリング単位での監視はリーズナブルではありません。すなわち細かいところを監視するのではなく、全体の発電量を見る必要があるのです。

もう1つは、最近の過積載となっている発電所では、ストリング・パネルごとの異常は、全体の発電量の中に吸収されてしまうからです。例えば140%の過積載の場合、パネル容量よりも発電量が増えるため、多少発電しないパネルがあっても、影響はあまりありません。

その一方で、PR値の分析などによって、大幅な発電量の低下が見られる場合は、リパワリングが必要になることもあります。リパワリングについては、別の機会に紹介したいと思います。

また近年では、オペレーションに新たなテーマが加わりました。それは出力制御です。九州電力管内などでは、太陽光発電が大量に導入されたため、電力需要が少ない時間帯(休日の日中など)は、一部の発電所に対して出力を抑制する指令が出されています。新たにつくる発電所に対しては、年間で200日の制御を系統連系の条件とする、といったケースもあるようです。いずれにせよ、出力制御はこれからのオペレーションの作業として増えていくと考えられます。

監視機能+制御機能の2つの機能が一体になった機器も出ており、信号を受けたら自動的に制御するということが一般的になると思います。今後もオペレーションは進歩していくと思いますし、その一方で新たな要請も増えていくかもしれません。

安定した発電を維持するために欠かせないオペレーション。afterFITでは低価格で高品質のO&Mを提供しております。「発電所で適切なオペレーションが行われているか知りたい」とお考えのお客様に向けて、お試しでサーモカメラを搭載したドローンによる点検なども行なっておりますので、ぜひお問い合わせください。

第一回目「太陽光発電所の適切なO&M(メンテナンス)とは?運転管理・保守点検について解説」
5分でO&Mがわかる!問題を最小化する太陽光発電のメンテナンス(保守点検)とは?【第三回】

プロフィール
小林 悦郎
1963年生まれ。山口県岩国市出身。
メーカー、IT人材派遣などの企業にてプロジェクトマネージャー、経営企画を歴任。その後、afterFITにて分析チーム、情報システムチームを経験し、現在はO&Mチームの統括を担当している。

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